2024年度重賞戦記 1/3 天馬賞

■人気別成績【1着.2着.3着.着外】
1番人気【7.2.0.1】
2番人気【1.2.4.3】
3番人気【0.3.3.4】
4番人気【1.2.1.6】
5番人気【0.0.2.8】
6番人気【1.0.0.9】←1着’20 コウシュハレガシー
7番人気【0.0.0.10】
8番人気【0.0.0.10】
9番人気【0.0.0.10】
10番人気【0.0.0.6】
※9頭立て1回、除外1頭 取消2頭 
このレースは1番人気が結果を残しているレースです。前日の帯広記念とは対照的に固い決着が多いレースです。1番人気の連対率は9割。5番人気以内で入着馬は29頭。1~2番人気から上位人気に流す…といった買い方がよさそうです。

■騎手:3着以上入着が3回以上の騎手をピックアップしてみました。
騎手名 :【1着.2着.3着.着外】
鈴木騎手:【4.1.2.3】
藤本騎手:【1.2.1.5】
阿部騎手:【1.1.2.3】
藤野騎手:【1.1.1.4】
鈴木騎手の4勝が目を引きます。今年はマルホンリョウユウの手綱を取ります。最後の一冠、鈴木騎手はリョウユウに取らせてあげられるでしょうか。藤本騎手は今年は手綱を取る馬がおらず、阿部騎手はタカラキングダム、藤野騎手も今年はとコンビを組む馬がいません。

■馬番:馬券圏内に入着した回数を馬番ごとに記載します

着/馬番12345678910
1着01
2着0001
3着002201010
9頭立て1回 除外1回、取消2回あり
端枠も中枠もほぼ関係なくきていますが、入着回数が多いのは3番と8番。また5番の2着4回も目を引く数字です。今年は3番にアシュラダイマオー、5番にジェイライフ、8番にタカラキングダムが入りました。


■前走条件:【1着.2着.3着.着外】
オープン【8.8.4.7】
A1【0.0.3.27】
A2【0.1.0.20】コウリキ(2着)
B1【0.0.1.6】
B2【0.0.0.1】
レディースC【2.0.1.0】
地吹雪賞【0.1.1.5】←ホクショウディープ(2着)/セイコークイン(3着)
圧倒的にオープン格の馬が良績を残しています。牝馬のオープン特別レディースCからも2頭の勝ち馬が出ていて、勝ち馬は全てオープン格付けの馬ということになります。天馬賞は格付け重視だという事がわかる数字です。変わったところでは地吹雪賞から2頭馬券圏内に来ている馬がいます。地吹雪賞はオープン馬レベルの馬が選抜されるレースで、ホクショウディープは地吹雪賞(3着)の前はオープンレース、セイコークインは地吹雪賞(1着)の前はA1-1組に出走していました。前走A2クラスからの2着馬、コウリキはばんえいダービーで3着の実績がありました。Aクラスから連対するには、同世代の定量戦で結果を残している必要があります。

ばんえいダービー
ばんえいダービーの着順→天馬賞の成績【1着.2着.3着.着外】
1着馬→【7.1.1.1】着外ホクショウマサル6着
2着馬→【1.2.3.3】
3着馬→【1.3.2.3】
4着馬→【1.0.1.7】
5着馬→【0.0.0.6】
6着馬→【0.1.0.5】ミソギホマレ(2着)
7着馬→【0.0.0.5】
8着馬→【0.0.1.4】セイコークイン(3着)
9着馬→【0.1.0.7】ツガルノヒロイモノ(2着)
10着馬→【0.1.0.4】ゴールドハンター(2着)
未出走馬→【0.1.2.23】ゴールデンフウジン(2着)/タカラシップ・カンシャノココロ(3着)
おそらく、天馬賞を占う上で最も鍵になるデータなのではないかと思います。そのくらい関連性が深いレースです。ダービーの勝ち馬から天馬賞の勝ち馬が7頭出ていて、残りの3頭も2~4着とダービーで上位争いをした馬でした。逆にダービー1着馬で着外に負けたのはホクショウマサルだけで、おそらくもうこの時期ホクショウマサルは本調子ではなかったのでしょう(6番人気でした)。この年度をだましだまし走り切った後、2年に渡る長期休養に入っています。ダービー3着馬以内で天馬賞の上位3位までの入着馬が21頭も出ています。

逆にダービー下位、あるいは未出走から天馬賞2着になった馬も4頭います。この4頭共通するのは前走がオープンクラスの出走だったことです。4歳になって成長して出世した馬たちです。勝ち馬はダービー上位組から。連対馬はダービー上位組が望ましいけど、前走オープンクラスを走っている馬なら一考できます。

■おまけ厩舎:3着以上入着が3回以上の騎手をピックアップしてみました。
厩舎名【1着.2着.3着.着外】
槻館 厩舎【3.0.1.3】
坂本 厩舎【1.1.3.4】
金田 厩舎【1.2.0.11】
松井 厩舎【1.1.1.6】
槻館厩舎の3勝が群を抜いています。今年はキタノミネが槻館厩舎から出走します。その他、坂本厩舎からはジェイライフ、金田厩舎からはマルホンリョウユウ、松井厩舎からはジェイホースと、有力厩舎からそれぞれ出走馬が居ます。

■おまけ:牝馬
チヨコさんが出走するかも…と思って取ったデータです。トリビア的に。牝馬の成績は
【2.1.2.23】
2勝はサクラヒメとキサラキク。2着はミソギホマレ、3着はミスタカシマとセイコークインです。入着した彼女たちに共通している点はクインカップ3着以内だったこと。勝ち馬に共通しているのは前走レディースCを勝ってきたことでした。来年、スマイルカナさんやカフカさんが出走するようであれば、また再掲します。


 
固い決着が多いだけに、データにかなりはっきり傾向が表れています。
・ダービー1着~3着馬
・前走オープン
この条件で絞ると、マルホンリョウユウホクセイタイヨウタカラキングダムの3頭になります。4歳の上がり馬、クリスタルゴースト、サクラヤマトはいずれも前走がオープンではなく、また、クリスタルゴーストは前走競走中止というのも気になります。過去10年の3着入着馬30頭を見た中で、前走着順が悪い馬は割といるのですが、競走中止した馬は1頭もいないので…。次点ですと、前走A1クラス出走でダービーを取消でダービーの着順が出なかったジェイヒーローでしょうか。
銀河賞をトップハンデで勝った馬はほとんどといっていいほど天馬賞で勝っていますし、ダービー馬が7勝しているレース。◎はタカラキングダムになります。対抗は前走オープンに出走のダービー3着馬マルホンリョウユウ、三番手がダービー2着馬のホクセイタイヨウ、四番手にジェイヒーロー。…固いですね(^_^;

…とここまでがデータですが、心の◎はマルホンリョウユウ!1枠はリョウユウにとってはばんえい大賞典を勝ったげんのいい枠ですし、オープン特別でも2着と好走しているので、いい枠を引いたと思っています。また、鈴木騎手の手綱も心強い。そして前走のオープン戦、15㎏の差はあれど、タカラキングダムに先着しています。760㎏で重い馬場になってタカラキングダムの末脚がにぶれば、十分逆転できるんじゃないかと思っています。頑張れ~リョウユウ!

ところで…関係者コメントが出ていたのですが、リョウユウとタカラキングダム、関係者コメント熱いですね~! いや、こうじゃないとライバル対決は盛り上がりません!好レースを期待しています。
https://www.banei-keiba.or.jp/tp_detail.php?id=9447

 う~~~~~~ん!惜しい!いや、すみません。どうしても推しの子目線のレビューになってしまうこと、お許しください。鈴木恵介騎手は完璧なレースをしたんです。本当ならあそこで押しきれるはずなんです。あれだけ攻めて前に行って、それでもしっかり障害上げて、最後ペースは緩みましたが詰まることなく歩き切りました。マルホンリョウユウはベストのレースをしたと思います。それを鮮やかに差し切ったタカラキングダムが素晴らしかった。阿部騎手は前半はペースが早くて、あまり離されてはいけないけど、しょうがないけど1回止めて息を入れたと。この辺の判断がベテラントップジョッキーだなぁと思いながらインタビューを聞いていました。

 ここからは私見なので、こういう見方をしている人もいるのね…程度に読み流してほしいのですが、天馬賞ではどの馬も並々ならぬ強い意志でタカラキングダムの三冠阻止を狙っていたと思います。特に鈴木騎手は。でなければいくら軽馬場とは言えあんなに前半速いペースになるとは思えない。クリスタルゴーストは一か八かの先行でしたし、それに負けじと先行争いをしたジェイヒーロー、マルホンリョウユウ。前々に行ったクリスタルゴーストは障害上がり切れませんでしたし、先行馬集団にいたサクラヤマトは障害で膝をつきました。先行して最初に2障害を上ったジェイヒーローも最後脚色一杯で(ジェイヒーローあれだけ果敢に攻めて、最後まで止まらず歩いたのは立派だと思います)、ジェイホースに差されてしまいました。それでも、タカラキングダムを引き離して第2障害を下らないとこの馬には勝てない、と各有力馬ジョッキーが思っての前半ハイペースだったと思います。そして実際に、阿部騎手はあんまり離されるとキツイ…と判断して「しかたなく」1回だけ息を入れているのです。もう、この辺りの馬の脚色と騎手の判断による駆け引きは、ばんえい競馬の醍醐味なのではないでしょうか。ギュウ~~~っといろんなものが詰まった素晴らしいレースだったと思います。

 でも、馬場もあったなぁ。あれだけ馬場が軽ければ5歳馬のトップホースなら760㎏の重量でスピードが鈍るという事はありません。もっと重たい馬場なら…リョウユウはもしかしたら逃げ粘れたかもしれないな…と思っています。もちろんその判断があっての鈴木騎手のハイペースでしたし、それに応えて2着にがんばったリョウユウと、全てを覆して三冠を達成したタカラキングダムを称えたいと思います。本当に見応えのあるいいレースでした。

 馬券は…一応三連複は取りましたが(ジェイヒーローが3着に残れたらよかったんですけど…)まあ、ガミガミです(笑) 固く固く収まる天馬賞はやはり固く固くおさまりました。 

レース結果