第51回ばんえいダービー データ予想

第51回ばんえいダービー(BG1)
3歳オープン 定量

 日本で一番遅くに開催される真冬のダービー。3歳チャンピオン決定戦です。重量は730㎏定量でハンデ差はありません(牝馬は-20㎏、セン馬は-10㎏)。730㎏は春先の古馬重賞オッズパーク杯よりも10㎏重く、3歳馬には堪える重量です。スピードだけではなくパワーとスタミナ、障害の巧さも必要です。斤量が重くハンデ差もないのでまぎれが少ない、まさしく世代王者決定戦と言えます。

■人気別 馬券圏内入着回数
1番人気:1着4回/2着2回/3着1回(着外3回)
2番人気:1着6回/2着2回/3着1回

3番人気:1着0回/2着2回/3着3回
4番人気:1着0回/2着1回/3着3回
5番人気:1着0回/2着1回/3着2回
7番人気:1着0回/2着1回/3着0回←2021年ネオキングダム
9番人気:1着0回/2着1回/2着0回←2017年マツカゼウンカイ

1着馬の最低オッズは
2015年:センゴクエース(1.2倍)
2019年:メムロボブサップ(1.2倍)
最高オッズは
2012年:アサヒリュウセイ(5.5倍)

1着は非常に硬いレースで、勝ち馬10頭は1・2番人気のどちらかから出ています。1番人気よりも2番人気の方が勝率が良いです。また、2番人気は過去10年のうち、9回馬券圏内に来ているので三連複の軸には2番人気がおすすめです。
ただ、2着は5番人気以下からも入着があります。馬単の人気薄相手を手広く…という馬券が美味しいかもしれません。

なお、1番人気の着外3回はいずれも牝馬です。ナカゼンガキタミスタカシマサクラヒメ。いずれもばんえい菊花賞とオークスで強いレースをして人気を集めていました。今年は菊花賞を好走した牝馬はいないので該当馬はいませんが、今後の参考になるデータだと思います。

■枠:馬券圏内に入着した回数を枠ごとに記載します

着/枠12345678910
1着003110410
2着01220011
3着2111011120
10頭だて8回、9頭だて1回、8頭だて1回


とてもわかりやすい傾向が出ていると思います。両端枠に勝ち馬がいなく、入着回数も少ないです。3枠と8枠の良績が目立ちます。両隣に馬がいたほうが良いのは間違いなさそうです。今年の3枠はヘッチャラ、8枠はツガルノヒロイモノが入りました。

■馬体重
900㎏台は1頭しかいませんでした。さすがにこの重量だと1000㎏は馬格があって欲しいところです。
増減は-16㎏~+35㎏まで。1000㎏前後の馬ですし細かい増減は気にする必要はありませんが、大幅プラスは良くても大幅マイナスはあまり歓迎できません。

■牝馬
人気の所でも書きましたが、近年、牝馬は苦戦しているレースです。過去10年で2着以内に入着した馬は2014年のキサラキクの2着のみ。
98年のハイトップレディ、2002年~2005年のアンローズ、サダエリコ、エンジュオウカン、エンジュダイヤと、かつては牝馬のダービー馬が立て続けに生まれていましたが、2007年に定量が730㎏(牝馬710㎏)となって以降、まだ牝馬の勝ち馬は生まれていません。

■騎手
阿部騎手の3勝3着1回
鈴木騎手の2勝2着1回3着3回
やはり名手二人。
3回以上の入着回数だと
藤本騎手が1勝、2着1回、3着1回
西謙一騎手が2着2回 3着2回です。
今年阿部騎手はツガルノヒロイモノ、鈴木騎手はキングフェスタに騎乗です。

■厩舎
坂本厩舎が2勝2着1回3着1回
槻館厩舎が3勝3着1回です。
今年は坂本厩舎からは出走がありませんが、槻館厩舎からレグルスが出走します。

■重量経験
3着入着した最高重量
650㎏~670㎏:4頭
670㎏~690㎏:6頭
700㎏~720㎏:18頭
720㎏~730㎏:2頭
←730㎏は21年メムロボブサップ

オークスでは集計してみてがっかりしたデータでしたが、ダービーではかなりはっきりした数字が出てきました。700㎏というのは一つの壁なのかもしれません。700㎏を超えた重量で馬券圏内に入着歴があった馬は20頭。勝ち馬は10頭中9頭が700㎏以上での入着歴がありました。(例外の1頭は690㎏での入着歴)
出走前に、ばんえいダービーと同じ斤量で入着歴があったのはメムロボブサップ1頭のみです。ばんえい菊花賞でハンデを積まれるか、3歳で古馬と混ざってのオープン戦に出走しないと、この時期に730㎏はなかなか曳かない重量なのです。今年はキングフェスタがばんえい菊花賞を730㎏で勝っています。

■前走 ダービー過去10年の3着入着馬30頭の前走条件、前走着順、ダービーの結果を表にまとめてみました。

前走出走条件:出走頭数前走着順:1着/2着/3着/着外ダービー着順:1着/2着/3着備考(ダービー着順)
OP:6頭/0/0/54/2/0前走OP勝ち '18アアモンドグンシン(1着)
3歳OP・3歳牝馬OP:2頭/0/0/00/1/1’14ハクタイホウ(3着)、’14キサラキク(2着)
A1:3頭/0/0/21/0/2A1勝ち ’13コウシュハウンカイ(3着)
A2:2頭0/0/0/21/0/1
B1:12頭5/2/4/13/6/3
B2:5頭2/1/0/2/1/2B2クラス出走からの勝ち馬は'12アサヒリュウセイのみ


前走OPクラスに出走していた馬は6頭いて全て連対しています。今年はキングフェスタクリスタルコルドヤマカツエースと3頭も該当馬がいます。データ上、一番入着が多いのは前走B1クラスで走った馬ですが、今年は有力馬がみなAクラス以上とハイレベルです。
3歳OPは菊花賞、オークスの重賞レースから直行した馬です。今年はダイヤカツヒメが該当します。
B2クラスからの勝ち馬はアサヒリュウセイのみです。アサヒリュウセイはイレネー記念の入着歴があり、このクラスで走っていた馬であれば2歳重賞での実績が欲しいところです。

■関連レース
3歳重賞とイレネー記念が関連レースと言えると思います。
以下は過去10年の3着以内入着馬30頭中の、関連レースへの出走数と3着入着数になります。

イレネー記念:23頭/3着以内入着17頭
ばんえい大賞典:26頭/3着以内入着13頭
ばんえい菊花賞:29頭/3着以内入着18頭

特にばんえい菊花賞は出走していることが必須条件になりそうです。
イレネー記念に出走していた馬は23頭と3歳重賞よりは少ないのですが、入着馬の数は菊花賞とほぼ同じです。
イレネー記念は上位入着が条件と言えると思います。


■出走予定馬(定量730㎏、牝馬-20㎏、セン馬-10㎏)
(イレネー記念/ばんえい大賞典/ばんえい菊花賞/前走クラス/3着以内入着した最高重量)

1枠 ピュアリーナナセ(牝710㎏) 渡来騎手
(イ:未出走/大:3着/菊:7着/B1-1:4着/665㎏)

2枠 レグルス 長澤騎手
(イ:未出走/大:7着/菊:4着/B2-1:1着/685㎏)

3枠 ヘッチャラ 菊池騎手
イ:2着同着/大:3着/菊:9着/A1:3着/720㎏

4枠 ダイヤカツヒメ(牝710㎏) 赤塚騎手
(イ:8着/大:未出走/菊:未出走/3歳牝馬OP<ばんえいオークス>1着/670㎏)

5枠 ヤマノコーネル 中村騎手 ←ルーキーで早速のBG1デビュー!おめでとうございます
(イ:未出走/大:6着/菊:2着/A2-1:8着/710㎏

6枠 キングフェスタ 鈴木騎手
イ:1着/大:未出走/菊:1着OP:6着/730㎏

7枠 トワイチロ(セン720㎏) 西将太騎手
イ:2着同着/大:2着/菊:5着/A2-1:2着/695㎏)

8枠 ツガルノヒロイモノ 阿部騎手
(イ:10着/大:9着/菊:8着/A2-1:3着/710㎏

9枠 クリスタルコルド 西謙一騎手
(イ:4着/大:1着/菊:3着/OP:10着/720㎏

10枠 ヤマカツエース 藤野騎手
(イ:9着/大:5着/菊:6着/OP:3着/720㎏

 今年は本当にハイレベルでAクラスからの出走が多く、前走OPを走っている馬が3頭もいて…OP出走だったら連対という過去のデータでいくと、すでに1頭溢れてしまうという…(^_^;。とはいえOP出走組が中心です。なかでもキングフェスタは実績的に文句のつけようがなく、素直に◎です。

 相手はOP出走組クリスタルコルドヤマカツエース、A1クラスで勝ち負けをしているツガルノヒロイモノヘッチャラ、イレネー記念2着同着のトワイチロ(セン馬-10㎏も魅力的)あたりまで…となると、キングフェスタからではさすがに手広すぎかなぁ。このあたりからどう絞るかなのですが、世代戦の定量戦、つまりイレネー記念で好勝負した馬を重視しようと思います。ということでヘッチャラトワイチロなんですが、なかでも720㎏での入着歴のあるヘッチャラを2番手に(推し馬ですし)。トワイチロは三番手評価です。

 本来なら2番手3番手はOP出走組2頭なんですが、それぞれ少しずつ不安要素があるので…。ヤマカツエースはいまだ端枠走ったことがないということ。クリスタルコルドは高速馬場になったらちょっと苦しい。実績は本当なら2番手で、1分50秒くらいちゃんと時計がかかってくれるなら〇はこの馬なんですが…。今の馬場状況だとハイペースの消耗戦を差してくるような展開にならないとちょっと難しいかもしれません。
 
 逆に馬場が味方しそうなのがツガルノヒロイモノ。スピードある馬ですし、軽い馬場ならばキングフェスタはさておき、何とか逃げ切れちゃうんじゃないかという気もします。鞍上も過去10年で3勝の阿部騎手。コメントでも軽ければ軽いほどいいとおっしゃっています。
 ただ、710㎏で3着だった前走は、勝ち馬のタイムが1分20秒1というスピード馬場でしたが、ゴール前に止まって差されています。(交わして2着だったのはトワイチロ)馬場を味方にしても20キロ増えて逃げ切れるか。

 面白いなと思うのが、早い展開が苦手のクリスタルコルドと逆にスピード勝負がしたいツガルノヒロイモノが同じスピードフジ産駒ということ。ばん馬の血統は奥が深いです。

 イレネー記念未出走だったのでここでの評価を他の馬より下げましたが、もちろんヤマノコーネルも十分馬券圏内。データ的には2番手はAクラス以上の牡馬はどれが来ても不思議ではないので、最後は悩みまくって結局総流し…かもしれません。