2024年度重賞戦記 12/29 ヤングチャンピオンシップ
過去10年の「人気」「騎手」「馬番」
ピックアップデータは「産地」「馬体重」
■人気別成績【1着.2着.3着.着外】
1番人気【5.3.1.1】
2番人気【3.2.1.4】
3番人気【1.0.4.5】
4番人気【0.1.2.7】
5番人気【1.2.2.5】
6番人気【0.0.0.10】
7番人気【0.2.0.8】←カネサスペシャル・フレイムファースト
8番人気【0.0.0.10】
9番人気【0.0.0.10】
10番人気【0.0.0.10】
回避があれば繰り上がりがあり、各エリア必ず2頭ずつ出走するというレースの特性上、かならずフルゲートになります。そして、層の薄いエリアから回避馬が出ると、3着馬、4着馬と繰り上がって出走するので実力差が大きく開いてしまうのが実情で、上位半分の人気でほぼ決着するのは、レースの特性が反映されている感じがします。
ここまでの間で同じメンバーでレースをしていることも多いので、1番人気の信頼度が高いレースです。ただその割に1~3人気で決着という事も少なくて、1人気から中穴まで手広く買うほうが良さそうです。ただ、7番人気で2着している馬が2頭います。いずれも産地特別を勝ち上がってきた馬で、勝って出走件を獲得した馬はエリアに関わらず軽視せず検討が必要です。
■騎手:3着以上入着が3回以上の騎手をピックアップしてみました。
騎手名 :【1着.2着.3着.着外】
鈴木騎手 :【5.0.0.4】
藤野騎手 :【2.2.1.1】
菊池騎手 :【2.0.1.3】
阿部騎手 :【0.1.2.4】
鈴木騎手の5勝が圧倒的です。過去10年で2回に1回は1着を取っていることになります。今年はウンカイダイマオーの手綱を取ります。ついで藤野騎手。今年はスーパーシンに騎乗。菊池騎手はキョウエイエースとコンビを組みます。
■馬番:馬券圏内に入着した回数を馬番ごとに記載します
着/馬番 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1着 | 1 | 0 | 0 | 2 | 1 | 1 | 0 | 3 | 0 | 2 |
2着 | 1 | 0 | 0 | 1 | 0 | 1 | 2 | 2 | 1 | 2 |
3着 | 0 | 2 | 0 | 1 | 0 | 2 | 3 | 0 | 1 | 1 |
意外なのは外端枠の入着が5回と多い事。その他5回入着があったのは7番、8番。まんべんなく来ているのでどこが有利不利はなさそうですが、比較的外目の馬番がよく来ています。今年は10番にシンザンパワー、8番にスーパーシン、7番にウンカイダイマオーが入りました。
■産地別着順【1着.2着.3着.着外】
・北見産駒特別
1着【1.0.3.6】
2着【1.0.0.9】1着アルジャンノオー
・釧路産駒特別
1着【3.2.0.5】
2着【0.1.0.9】2着ツルイテンリュウ
・十勝産駒特別
1着【3.2.2.3】
2着【0.1.4.5】
・北央産駒特別
1着【1.1.0.8】
2着【0.0.0.10】
・南北海道産駒特別
1着【1.2.1.6】
2着【0.1.0.9】2着ホクショウキズナ
ヤングチャンピオンシップのレースの特性を考えるとこのデータは取らなくてはなりません。
エリア別にみると釧路3勝、十勝3勝と生産馬の多いエリアの勝ち数が多くなっていますが、全道のエリアから勝ち馬が出ています。ただし、アルジャンノオーを除き、全て1着で出走権利を取った馬です。十勝は産駒数が多く激戦区なだけあり、2着で出走件を取った馬でも5頭が馬券圏内に来ています。十勝以外のエリアで2着で出走件を獲得した馬の上位入着は3頭。やはり十勝に比べてかなり少なく、地域差を感じます。
この数字を見ていて思ったのですが、上位2頭の出走権利はそのままに、回避馬が出た場合は、同じエリアから繰り上がるのではなく、出走馬の合計賞金が高いエリアから繰り上がりを出すといいのかな…と思います。1着馬と2着馬でもはっきり力量差が出てしまうのに、3着、4着の繰り上がり(過去10年で繰り上がり出走は5頭いて、4着馬の繰り上がり出走も過去10年の間で1回あります)だと、現時点での実力差が大きいのは否めません。
ばんえい競馬は地域制のある競馬で、このコンセプトはとても面白いし、実際全エリアから勝ち馬が出ているので選考方法は今のままでもいいとは思うんですが、繰り上げ出走に関してはもう少し工夫があったほうが良いかもしれないな…と思います。
■馬体重【1着.2着.3着.着外】
1000㎏以上【7.3.5.13】
950~999㎏【2.5.3.33】
900~949㎏【1.1.2.20】
899㎏以下 【0.1.0.4】←2着トワイチロ(876㎏)
2歳馬の重賞では馬格も重要なファクターになります。大きいことはやはり大きなアドバンテージです。1000㎏を越えた馬の勝率の良さが物語ります。900㎏未満はそもそも頭数もすくないのですが…トワイチロは偉かったんだなぁ。
■おまけ前走と新馬戦
もうほとんどの馬が前走A1クラスなので、あまりフィルターにならないのですが、前走は産地特別かAー1クラスだった馬が過去10年の3着入着馬30頭中29頭。例外はコウシュハレガシー(Aー2)ただ1頭でした。
これもほとんどの馬が該当するのでおまけレベルです。新馬戦の成績。新馬戦は連対以上の成績を残している馬がヤングチャンピオンシップで馬券圏内に来ています。
ヤングチャンピオンシップの上位入着馬の新馬戦の成績を見てみると下記の通り。新馬戦連対は上位入着に条件になると思います。
1着馬→10/10が新馬戦を連対
2着馬→9/10が新馬戦を連対
3着馬→8/10が新馬戦を連対
例年ほとんどの馬がそうでだったのでおまけ扱いだったのですが、出走表を見て今年は該当しない馬も結構いて、おまけといいつつ案外大事なフィルターになりました。
今年はここまでの実績からスーパーシンとキョウエイエースという十勝産駒の2強対決になると思います。とはいうものの…
・新馬戦連対
・予選を勝ち上がっている(十勝エリアは除く)
・前走が産地特別orA-1クラス出走
・馬体重が1000キロ以上
という条件で絞ってみると、アバシリタカラコマ、キョウエイエース、スーパーシンの3頭です。やっぱり2強ですね(^_^;
◎は十勝産駒特別を勝ち上がってきたスーパーシンに。対抗は前走A-1クラスを勝ってきたキョウエイエース。三番手評価に上記条件を満たしているアバシリタカラコマ。間違いなく上位人気の3頭だと思いますので、買い方はよく考えないとな…と思っています。
レースレビュー
いやあ、スーパーシン強かったなぁ!降りてからの脚はお見事でした。軽々と障害を上げて、一気のキャンター。後続を寄せ付けず圧勝でした。なんというか重さを感じない障害の上げっぷりは、能力検査で見た時のイメージそのままです。第二障害下ってちょっとヨレるところはまだ幼さがあるので、これからもっと強くなると思います。第一回の能力検査を初めて直接見学して、その時これはこの世代で一番強いんじゃないか?と思った馬が、重賞を勝ってくれました。うんうん、私見る目あるじゃん!と思わせてくれてありがとうね、シンくん!
馬場は思っていた以上に重くなっていたと思います。その中で前半43秒。10RのB1-6組(690㎏)のレースが55秒でしたし、かなりハイペースだったと思います。6番のジェイオージョは第二障害下に着いたときにもう、かなり疲れて頭が下がっていました。最後、キョウエイエース、アバシリタカラコマ、ウンカイダイマオー、みんな一杯いっぱいでした。このギリギリの中で最後追い比べをしたとき、止まらずに歩かせる技術はやはり鈴木騎手が上なのかな…と思います。もちろん、2障害に至るまでのプロセスもあって、道中のスタミナの溜め方、ロスの無い登坂があってこその最後なのですが、それを全部ひっくるめて…騎手の手腕の凄さが感じられました。
今回、重馬場のハイペースで本当に各馬最後いっぱいになっていたので、よくわかったのですが、本当にどの馬も最後ゴール直前で止まるんです。(ばんえい用語で詰まるといいます)馬体は通過してもそりを残して止まってしまった馬も何頭かいました。まるで計ったように。そう、計っているんですよね騎手が。スタミナが持つギリギリを攻めて追っているのでゴール直前で詰まるんです。私達があああ~~~~~~と頭を抱えるあれ。あれがなんでゴール周辺で起きる悲劇?!なのかと言えば、それは騎手の技量がすばらしいからなんです。そしてそのあとちょっとを歩き切らせるのが鈴木騎手だったりします。(たまに押しが強すぎて、へそ曲げちゃう子もいるんですが…)
ということで今回1着十勝産駒(1着)、2着は北央産駒(2着馬)3着は北見産駒(1着)となりました。北央産駒の2着馬は過去10年馬券に絡んでこなかったのですが、今年は1着のシンザンパワーも差のない5着で、北央産駒特別のレベルが高かったんだなと分かります。ウンカイダイマオーは新馬戦2着。第一回能力検査を1番時計のスターイチバンの2着で2分22秒7の好時計(1回能力検査で3位のタイム)で突破していました。スターイチバンが前日のA-2クラスで復帰戦を快勝しているので、この後、能力検査上位タイムの馬達の翔雲賞、イレネー記念が楽しみです。
馬券はスーパーシンの単勝、スーパーシンからピックアップした2頭に馬連で流していたので…”あああ~~~~~~と頭を抱えるあれ”になっておりました(笑)