2024年度重賞戦記 10/27 北見記念
過去10年の「人気」「騎手」「馬番」
ピックアップデータは「年齢」「入着最高重量」
■人気別成績【1着.2着.3着.着外】
1番人気【1.3.1.4】(取消1)
2番人気【4.2.1.3】
3番人気【2.2.1.5】
4番人気【0.1.4.5】
5番人気【0.1.1.6】(取消2)
6番人気【1.2.1.5】←1着フクドリ
7番人気【1.0.0.7】←1着キタノタイショウ
8番人気【1.0.0.6】←1着メジロゴーリキ
9番人気【0.0.0.5】
10番人気【0.0.0.4】
この時期の古馬重賞にありがちなのですがフルゲートになりにくいレースです。1番人気より2番人気の方が良績です。4月の開幕から半年余り、有力馬はハンデとの闘いになることも多く、1番人気に応えられないことも多いのだと思います。また、6番人気のフクドリはばんえい記念2着の実績があり、7番人気のキタノタイショウはばんえい記念馬、8番人気のメジロゴーリキは後にばんえい記念を2回勝ちます。穴をあけるとすれば高重量適性の持ち主ということでしょうか。
■騎手:3着以上入着が3回以上の騎手をピックアップしてみました。
騎手名 :【1着.2着.3着.着外】
藤本騎手 :【2.1.1.4】
藤野騎手 :【2.1.0.6】
西謙一騎手:【1.1.1.4】
阿部騎手 :【1.1.1.7】
鈴木騎手 :【0.2.1.5】
藤本騎手の入着は全てコウシュハウンカイでのもの、西騎手の入着はメジロゴーリキでのもの。鈴木騎手の入着はオレノココロです。古馬のオープン馬はコンビが固定されてきますから、トップホースと長くコンビを組むとこういう数字になります。古馬重賞は騎手より馬とのコンビかな…と思います。藤本騎手はカイセドクター、藤野騎手は騎乗が無く、西謙一騎手はクリスタルコルド、鈴木騎手はコマサンエース、そして阿部騎手はもちろんメムロボブサップとのコンビです。
■馬番:馬券圏内に入着した回数を馬番ごとに記載します
着/馬番 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1着 | 0 | 1 | 2 | 2 | 1 | 1 | 0 | 0 | 2 | 1 |
2着 | 0 | 2 | 2 | 0 | 0 | 1 | 2 | 0 | 0 | 0 |
3着 | 1 | 2 | 0 | 2 | 2 | 2 | 1 | 0 | 2 | 0 |
着外 | 7 | 5 | 5 | 4 | 7 | 6 | 5 | 7 | 3 | 3 |
北見記念は取消の頭数が4頭いて、またフルゲートの年も少なかったので、着外数も記載しました。9番は枠に入った頭数の割に入着馬が4頭いて勝ち馬も2頭出ています。今年は8頭立てで外詰め発走。9番枠には7番のメムロボブサップが入ります。…とは言え…実はなかなかフルゲートにならない古馬重賞だと、外詰め内詰めで発走枠が変わってしまうので、厳密にこの馬番が同じ馬番走路を走っていたのかどうか…。あまり役に立たないデータなんですが、なんとなく中枠が走っている、端枠が走っているという目安になればいいなと思っています。
■性齢別成績【1着.2着.3着.着外】
牡馬(セン馬含む)
4歳【0.0.0.2】
5歳【1.3.1.8】←1着アオノブラック
6歳【2.0.4.9】
7歳【2.2.1.10】
8歳【4.3.1.8】
9歳【1.1.1.8】
10歳【0.1.1.4】
牝馬
5~6歳【0.0.1.1】←3着キサラキク
これを見ると8歳馬の健闘が目立ちます。このくらいの重量になってくると経験がものを言うのか、4~6歳より7歳以降の方が連対頭数多くなっています。
今年は牝馬のチャレンジがなかったのですが、過去10年で唯一牝馬の馬券圏内は6歳馬のキサラキクです。この時のキサラキクの斤量は830㎏。4市記念で馬券圏内に入着した牝馬は、過去10年の中で岩見沢記念のミスタカシマと、北見記念のキサラキクの2頭だけです。
■入着最高重量
ちょっと説明の要るデータですが…、北見記念は800㎏後半の重量で、オープン馬でも普段曳かない重量になってきます。ということで高重量適性の有無を見るために、北見記念出走時までに何㎏の重量で3着以上の入着歴があるか…というのを調べてみました。これはほぼ重賞入着歴と同じ意味を持つデータだと思います(800㎏越えは重賞か年度後半のオープン特別しかありません)。
まず北見記念の3着入着馬30頭中、16頭がばんえい記念3着以上の実績を持っていました。勝ち馬は10頭中7頭がばんえい記念の上位入着馬です。また、北見記念の入着馬30頭のうち、それまでに800㎏以上で3位入着が無い馬はわずか3頭(うち1頭は牝馬のキサラキク)です。少なくとも800㎏以上の重量で3着以上に入った経験が無い馬は北見記念で上位入着することは難しい…ということになります。
…800㎏以上で入着経験のない馬…実は今年該当する馬はいません。確認してがっかりしたデータでした。ただし、カイセドクターが810㎏で3着に入った2022年のチャンピオンカップは、馬場水分4.3%勝ちタイムは1:36.3という軽馬場の快速決着でしたので、この810㎏は鵜呑みにしないほうが良さそうです。
ということで…『8歳』『ばんえい記念上位実績馬』の馬は、アオノブラック、コマサンエース、メムロボブサップの3頭です。これに帯広記念3着馬のコウテイ、そしてそのコウテイを重馬場の旭川記念で差し切ったクリスタルコルドまで抑えようかと思います。3頭の馬連ボックスと、コマサンエースからワイドで4頭に流す…感じでしょうか。旭川記念で3着に持ってきた鈴木騎手が手綱を取るのも心強いです。もちろん不動の◎はメムロボブサップで仕方が無いけど、〇はアオノブラックかと言うと…目標は北見記念というものの、前走の座り込みはちょっと心配です。ということで〇は同じ8歳でもコマサンエースのほうに打とうと思います。
今回推しの子は出走が無いので心穏やか…もとい真剣に馬券を当てに行きたいと思っております。
レースレビュー
まずメムロボブサップ、圧巻でしたね。騎手コメントでは十分息を入れられた…とあり、難なく第2障害を上げ、下りてからも1頭だけ別の次元の歩き方でした。メムロボブサップにとっては余裕があるペースでしたが、他の馬にとってはかなり厳しいペースだったはずです。先行したインビクタが完全に障害で膝をつき、どの馬も一腰では上げらませんでした。高重量でもはやメムロボブサップに勝てる馬はいません。もし彼が負けるとしたら、それは他の馬に負かされたのではなく、障害をしくじった時ぐらいではないでしょうか…。それもこの北見記念を見るとなかなかない事のように思います。本レースの賞金を加算して現在メムロボブサップは85,157,500円の賞金を獲得しています。この後、帯広記念(賞金500万)とばんえい記念(賞金1000万)を取れば…いよいよ1億円馬の称号が射程圏内に入ってきました。
2着はコウテイ。メムロボブサップ以外の馬の中で一番障害を上手く上げてきて、しっかり最後まで歩き切りました。やはり高重量、重馬場になってくると結果を残してきます。それにしても高速口パクは相変わらずですねぇ。Xにアップされていた入場動画を見てクスリと笑ってしまいました。そして差のない3着にコマサンエース。あわや馬連も取れたか?と思ったのですが(笑) 鈴木騎手の2障害での手綱さばきが光りました。本当に第2障害で止まった馬に二の腰を入れさせるのが上手いなぁ!やはり高重量戦で結果を出している2頭が馬券圏内に来ました。
クリスタルコルドは若さが出たなぁという印象です。第2障害で隣りから上がって来るコマサンエースに気を取られていました。どうも噛みつきにいこうとしていたように見えました(笑)。 今年の帯広記念より10秒も遅い決着だった北見記念。クリスタルコルドにとっては相当重さを感じたのではないかと思います。でもしっかり第2障害を上げ切ってゴールで来ていますので、これからかな…と思います。
インビクタは馬場が重かったかな…もともと850㎏を越えてくると上位入着が無い馬で、高重量戦は不得手なのですがそこに加えて馬場も重く、インビクタにとっては不利な状況でした。インビクタが帯広記念を取れる日は来るかなぁ…。4コママンガで母馬のメグミさんに誓わせた手前、引退までにBG1を取って欲しいと思うのですが…。同じくゴールドハンターもキャンターの差し脚が自慢の馬で高重量戦はアウェーの舞台。馬場が軽ければまだしも、今回は厳しいレースだったと思います。カイセドクターは勝ち負けや上位入着を意識しないで自分のペースで道中を進んで障害にかかり、2度、3度と腰をいれてじりじりと上げ切り、最後まで歩き切りました。結果4着。辛抱強いまじめな馬です。
そしてアオノブラック…この座り方を見るとまだ爪が良くなっていないんじゃないかな?と思います。というのも、ゴーリキさんが第2障害で座り込んでいた時と似たようなレースぶりなのです。ゴーリキさんが引退した後に、一時期かなりひどい裂蹄だったことをXの投稿で知りました。当時はマイペースで行けないとへそを曲げるのかな?もしくは夏負けかな…と思っていたんですけれども(ごめんよ、ゴーリキさん)。思うに…爪は治るのに時間がかかる場所ですので復調するまでにもう少し時間が必要なのかもしれません。でも、ゴーリキさんもしっかり復調して最後はばんえい記念を取りましたから。アオノブラックはこれが実力ではなく、長い目で復調を待ちたいと思っています。
馬券は三連複とワイド。馬複はもう少しでした。北見記念と高重量戦実績は来年も使えるデータかな?と思います。