第47回クインカップ データ予想(結果追記あり)
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クインカップ(BG3)
4歳牝馬オープン 別定4
1976年と歴史は古く、3歳世代三冠ロードと同時期に創設されたレースです。昔は3・4歳混合戦でしたが、2005年から4歳牝馬限定レースとなりました。歴代の勝ち馬にはヨウテイクインやアンローズといった後に古馬重賞で活躍した女傑の名前もあります。
今年は銀河賞を勝ったミソギホマレ、ばんえい菊花賞、ばんえいオークスを勝っているサクラヒメ、ナナカマド賞を勝っているアバシリサクラと、牡馬混合の世代重賞を勝った牝馬が3頭出走している豪華メンバーです。別定4とは「番組編成会議において決定する」ルールで、「オープン720kg 1重量格ごとに10kg加減」という重量規定です。今年はオープン格はサクラヒメとミソギホマレで720㎏。A1クラスは不在。A2クラスのサクラシュンカが700㎏。後の出走馬はB1~2クラスで690㎏(B1~B2は同重量格)ハンデ差は30㎏となっています。
■人気別 馬券圏内入着回数
1番人気:1着7回/2着1回/3着1回(着外1回)
2番人気:1着1回/2着3回/3着0回
3番人気:1着0回/2着2回/3着6回
4番人気:1着1回/2着2回/3着1回
5番人気:1着1回/2着1回/3着0回
6番人気:1着0回/2着0回/3着1回
7番人気:1着0回/2着1回/3着1回
勝ち馬のオッズは
最低オッズ1.5倍:2019年ミスタカシマ
最高オッズ12.1倍:2012年マリンチャンス
牝馬の世代戦…さぞ穴党向きかと思いきや、1番人気の1着が7回と非常に硬く収まっています。おそらくは4歳までくると出走馬のレベルの差がはっきりしているのではないかと思います。ほぼ三番人気以内でだいたい収まる…。勝ち馬のオッズを見ても一番人気がなかったマリンチャンスでも5番人気の12倍。無印の馬が穴をあけることはあまりないようです。ちなみに1番人気で馬券圏外まで負けた馬は2012年のアアモンドマツカゼ(6着)でした。
■重量
670㎏:1着1回
680㎏:2着1回
690㎏:1着6回/2着5回/3着6回
700㎏:1着1回/2着2回/3着3回
710㎏:1着1回/2着1回/3着1回
720㎏:1着1回/2着1回
番組編成会議で決める重量なので、毎年微妙に別定重量が違うようなので、クラス=重量とはならないのですが、690㎏の馬が一番着ています。
720㎏で3着以内に入着した馬はミスタカシマ(1着<天馬賞3着>)、キサラキク(2着<天馬賞勝ち馬>)のみです。この二頭は古馬重賞でも活躍した馬なので、クインカップを720㎏で勝ち負けできる馬は、今後の天馬賞や古馬重賞でも期待できる馬ということになります。サクラヒメ、ミソギホマレがこの2頭と肩を並べるかどうかが注目です。
■枠:馬券圏内に入着した回数を枠ごとに記載します
着/枠 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 0 | 1 | 2 | 0 | 2 | 1 | 0 | 2 | 1 | 1 |
2 | 1 | 1 | 0 | 4 | 1 | 2 | 1 | 0 | 2 | 0 |
3 | 3 | 1 | 1 | 1 | 0 | 0 | 4 | 0 | 0 | 0 |
ほぼフルゲートなので、外枠の母数が少ないということは無いと思います。中枠のほうがやや入着回数は多いですが、まんべんなく来ています。なお、10枠の1着は1番人気だったジェイカトレアです。
■馬体重
1000㎏以下は入着馬30頭中5頭。牝馬と言えど1000㎏の馬格は欲しいところです。また、馬体重の増減はプラス体重が19頭。マイナス体重が11頭。-18㎏、-17㎏といった二桁マイナスでも連対馬が出ています。よほど大きな数字でなければ馬体重の増減はあまり気にしなくても良さそうです。
■騎手 3回以上馬券圏内に入着がある騎手をピックアップしています。
藤野騎手 1着3回/2着1回/3着1回
鈴木騎手 1着2回/2着3回
阿部騎手 1着1回/2着1回/3着2回
藤野騎手の好成績が目立ちます。残念ながら今年は乗り馬がいません。鈴木騎手はブルーレジーナ、阿部騎手はミソギホマレに騎乗です。
■厩舎 3回以上馬券圏内に入着がある厩舎をピックアップしています。
平田厩舎 1着2回/2着1回/3着1回
松井厩舎 1着2回/3着1回
坂本厩舎 1着1回/3着2回
金田厩舎 2着3回
今年は平田厩舎からの出走はないのですが、上記厩舎だと、金田厩舎からはアバシリサクラ。松井厩舎からはニュクス。坂本厩舎からはミソギホマレとミラクルクイーンの二頭出しです。
■前走出走クラス
クインカップで馬券圏内に来た30頭が、前走どのクラスのレースに出走していたかを表にまとめてみました。
一番入着数が多いのがB1クラスに出走していた馬で、その次はステップレースである紅バラ賞から直行した馬です。A2クラスは3着が多いのはハンデの影響かもしれません。前走B4クラスからの出走で入着したのはマリンチャンスだけですが、2連勝でクインカップに出走してきた馬でした。
出走条件/ クインCの着順 | 1着 | 2着 | 3着 | 備考 |
OP(1頭) | 0 | 1 | 0 | キサラキク |
A1(2頭) | 0 | 1 | 1 | クインフェスタ(2着) ニシキウンカイ(3着) |
A2(7頭) | 2 | 1 | 4 | |
4歳牝馬OP(4頭) | 3 | 1 | 0 | ※紅バラ賞からの直行組。 オープン格だったミスタカシマもここ |
B1(9頭) | 3 | 3 | 3 | |
B2(5頭) | 1 | 3 | 1 | |
B3(1頭) | 0 | 0 | 1 | ドルバコ(3着) |
B4(1頭) | 1 | 0 | 0 | マリンチャンス(1着) |
■前走の成績
同じく過去10年で3着以内に入着した30頭中の数字です
前走3着以内に好走していた馬は、20頭。
前走勝っていた馬は14頭
出走クラス別にみると下記の通り
Aクラス以上:1着2頭/2着1頭/3着1頭(着外6頭)
4歳牝馬OP:1着2頭/2着1頭/3着1頭
Bクラス:1着10頭/2着1頭/3着1頭/着外4頭
Bクラスでも1と2と3ではだいぶ実力差がありますが、細かく書くとややこしくなるので、AクラスとBクラスで非常ざっくり分けてしまいました。
Aクラス出走組は着順はあまり気にしなくても良さそうです。Bクラス、それもB2やB3であれば、勝ち負けしていて欲しいところです。
また、ステップレースである紅バラ賞から間レースを挟まず出走してきた4頭は全て3着以内です。
今年、前走が紅バラ賞だった馬は、サクラヒメ(1着)とミソギホマレ(10着)のハンデ頭2頭です。
■関連レース
4歳牝馬のオープンレースは「ばんえいプリンセス賞」と「紅バラ賞」の2つ。また3歳の世代重賞の「ばんえいオークス」この3レースが関連レースと言えると思います。
クインカップ3着入着馬30頭中
【ばんえいオークス】出走:28頭 3着以内入着:14頭
【ばんえいプリンセス賞】出走:28頭 3着以内入着:17頭
【紅バラ賞】出走:25頭 3着以内入着:13頭
出走は条件になりそうですが必ずしも好走していなくても良さそうです。
■出走予定馬(オークス/プリンセス賞/紅バラ賞:前走成績)
1枠 ブルーレジーナ 690㎏ 鈴木騎手
オークス未出走/プリンセス賞未出走/紅バラ賞8着:B2-1 2着
2枠 アバシリサクラ 690㎏ 島津騎手
オークス4着/プリンセス賞7着/紅バラ賞未出走:B1-3 4着
3枠 ニュクス 690㎏ 松田騎手
オークス7着/プリンセス賞3着/紅バラ賞3着:B2-2 4着
4枠 ミソギホマレ 720㎏ 阿部騎手
オークス中止/プリンセス賞4着/紅バラ賞10着 前走紅バラ賞
5枠 チハヤブル 690㎏ 長澤騎手
オークス未出走/プリンセス賞未出走/紅バラ賞7着 前走B3-4 1着
6枠 アアモンドカズミ 690㎏ 赤塚騎手
オークス未出走/プリンセス賞未出走/紅バラ賞未出走 前走B3-1 1着
7枠 サクラシュンカ 700㎏ 菊池騎手
オークス3着/プリンセス賞9着/紅バラ賞2着 前走B1-1 1着
8枠 サクラヒメ 720㎏ 渡来騎手
オークス1着/プリンセス賞2着/紅バラ賞1着 前走紅バラ賞
9枠 ミラクルクイーン 690㎏ 西謙一騎手
オークス9着/プリンセス賞1着/紅バラ賞9着 前走B2-2 3着
10枠 ジェイマリア 690㎏ 藤本騎手
オークス未出走/プリンセス賞5着/紅バラ賞6着 前走B1-1 8着
こうしてみるとサクラヒメの成績は過去データと照らし合わせてもほぼパーフェクトで死角がありません。人気もおそらくは1番人気になることと思います。ミソギホマレは銀河賞の勝ち馬なのですが、こうして牝馬レースのデータだけ拾ってみると、サクラヒメやサクラシュンカの方に分があります。
データからいえば◎はサクラヒメ、〇はサクラシュンカ、三番手評価でミソギホマレ、アバシリサクラ…という感じなのですが…。
サクラヒメの720㎏が引っかかるのです。前走は700㎏で40㎏ハンデをものともせずに快勝しているので、心配ないかもしれないのですが…。710㎏だったダービーは1番人気で4着に敗れていますし、柏林賞では700㎏で競走中止。今回の720㎏は初めての斤量です。720㎏で入着があるのは過去10年でもキサラキクとミスタカシマだけなのです。サクラヒメは相手ではなく斤量だな…と思っています。
結果:答え合わせ
サクラヒメ、強かったですね! 同世代の牝馬相手では別格でした。720㎏が…なんて心配は無用でした。ただ、今日は馬場がとても軽かったことも味方していると思います。同日の8R、A1-1クラスのタイムが1:27.3秒(ツガルノヒロイモノ 690㎏)レベルも斤量もだいたい同じくらいのレースなので、大いに参考になりました。馬場が軽ければ軽量馬に足元を掬われる可能性もあるのですが、それ以上にサクラヒメも重量を苦にしないで済みました。
軽い馬場でスピードを武器に足元を掬おうにも、このメンバーの中で一番脚が速そうなのはサクラヒメ。500㎏定量の疾風賞で勝ち切れるスピード馬です。負かす馬はいないか、可能性はないか…あれこれデータを眺めなおしてみましたが、最後はあきらめて?!サクラヒメを軸にしました。
そして何よりほかの馬もこの重量はしんどいのです。どちらがより苦しいかと言えば、サクラヒメよりサクラシュンカの方が厳しかった。結局、1~3着馬は700㎏以上で3位以上の入着歴がある馬たちでした。(アバシリサクラはクリスタル特別4歳OP、重量700㎏で3着の経歴があります)これは他の年でも調べてみたい傾向です。来年の宿題ですね。
相手は最初に書いたとおり、サクラシュンカ、ミソギホマレ、アバシリサクラ。前走B1クラス以上に出走している馬で、関連レースに2レース以上出走している馬はこの3頭とジェイマリアの4頭でした。ただジェイマリアは外端枠で、10枠の経験がない馬だったので、馬券から外しました。過去10年で外端枠で馬券圏内に来たのは1番人気馬の1着1回だけです。
馬場の軽さ、ミソギホマレの前走は端枠のせいという定政さんのコメントから、2番手から4番手までの評価を同じくらいと考え直して、サクラヒメ1軸の三連複流しにしました。3連単にしなかったのは固いところなので買い目を減らさないとガミるし、サクラヒメの斤量にたいする不安もあったためです。3連単で買っても頭がサクラヒメなら劇的な金額の差もないだろうとも思いました。
レースの回顧をすると、勝ったサクラヒメは強かった!1頭だけ違う次元で第二障害を越えていきました。渡来騎手も余裕をもって乗ってたように見えました。馬場が軽ければ、天馬賞でもいい勝負になるだろうと予想できます。
アバシリサクラの島津騎手はうまく乗ったなぁと思います。スタート後先行して、脚をためて2障害を止めずに上げる。喧嘩せず止めて脚をためるって、イケイケの馬に対してすごく難しいことだと思うのです。でも上手く息を入れられたから2障害で止まらずに上げることができ、それがゴールまでの貯金にもなったし、ミソギホマレには刺されましたが、立て直して3着に粘れたのだと思います。また、馬場が軽いこともこの馬には味方しました。
ミソギホマレは障害が難しかった。阿部騎手はとても時間をかけて第二障害の登坂をはじめました。それでも障害の頂上付近で脚を止めましたしヨレていました。中枠でよかった。寄れた側に馬が登ってきたからこそ、倒れこまずうまく立て直せたと思います。降りてからの脚は素晴らしいの一言です。障害さえうまくクリアできていればサクラヒメとこれほど差は付かなかったと思います。
ニュクスはオークス、プリンセス賞、紅バラ賞と皆勤賞。なんなら黒ユリ賞、福寿草特別と世代牝馬OP戦の皆勤賞の馬です。人気の盲点になっていましたが、実績は十分ありました。あわやの4着。今後も牝馬重賞では軽視できない存在だと思います。
ということで、大幅プラスは銀河賞以来。思えばこの時もミソギホマレの出走したレースでした。ありがとう!ミソギホマレ(笑)