2025年度重賞戦記 岩見沢記念

この後重量との闘いになると思うのですが
これから完成されていく馬だと思うので
鈴木騎手の騎乗も含めて楽しみです
それにしてもイケメンなんですよねぇ。
ベビーフェイスなのは
成長してもそのままです
馬場も味方に豪脚一閃
ばんえい競馬は重たいソリを曳くし、道中止める競馬なのでスピード感が無い…と思われることが多いのですが、キングフェスタのレースを見ているといやいやいや、速いよ!ばんえい競馬!って言いたくなるんです。
ガッツリ脚をためて坂を下りた後の、ソリを曳いてのキャンターは本当に速い。ものすごくスピード感があります。今回の岩見沢記念は、メムロボブサップが不在、コマサンエースもう不在ということで、人気を背負いました。
ただ、私は正直こういう2障害を降りてから「キャンターで走る」馬はあまり高重量が得意じゃないんじゃないかと思っていて、830㎏を背負った古馬重賞。実は人気程キングフェスタを信用していませんでした。キャンターで2障害を終えてから駆け抜ける馬は、どこまで重量に耐えられるか?というところで、相手というより重量との闘いになるんじゃないか…と常々思っています。この重量が1㌧まで耐えられた馬がセンゴクエースであり、現在進行形で耐えられているのがメムロボブサップなのかな…と思っています。センゴクエースは馬格で耐えた感があり、メムロボブサップは…、この馬は特別ですね(笑)。
そういう意味ではキングフェスタは現代のオープン馬の中では比較的小柄で、馬格で重量をこなす…というタイプではないので、その速さは高重量戦には向かないんじゃないか…と思っていたのです。700㎏台までなら無類の強さを誇るけど、800㎏を越えたら安定しないんじゃないか…などと穿った考え方をしておりました。
でも1障害下るまでに先行して、その後ゆったり2障害下まで息を入れながら歩きつつ早目に2障害下につけ、じっくり2障害をためて息を整えて障害にかかる。鈴木騎手の面目躍如のような見事なレースぶりでした。2障害で止まりましたが、最初のとっかかりでかなり上の方まで登れていましたし、上手く二回目の腰が入りました。二回目の踏ん張りがしっかり効いたのは、そこまでに十分溜めていたからだと思います。降りてからは見事の一言。鈴木騎手は勝利騎手インタビューでやはり重量の不安を話していましたし、どう2障害を上げ切るかに注力したレースをした…というようなコメントをされていました。この日の馬場は時計が出る軽めの馬場で、それも味方したと思います。
この日の馬場は先行したインビクタにも味方しました。ベストのレース運びで2着。インビクタはもう本当にすごい馬です。この安定感!今季重賞2着はこれで3つ目。ああ、もう、今期どこかで重賞を獲らせてやりたい!圧倒的に障害が上手いことが、この成績を支えています。必ず登れるからちょっと無理してでも前に行けるし、先行して先に降りてアドバンテージを守るというスタイルだと、勝てなくても上位には残れる。インビクタは常にベストパフォーマンスが出せる馬です。入着か、勝利か、着板か…は時々の馬場であったり相手関係だったりするのですが。
でもインビクタもキングフェスタもメムロボブサップが出ていたら彼らのベストのレースができていたかどうか…。そのくらいメムロボブサップって出てくると前半のペースが上がります。それでいてメムロボブサップ自体はそれが普通のペースなので、降りてからもしっかりマイペースで歩く…から強いんですよね。
さて岩見沢記念の話に戻ると、このレースを見終わった後、最近ばんえい競馬にはまったという知人から「タカラキングダムはどうしたの?何があったの?」という質問のメッセージを貰いました。何があった……う~~ん、たびたびへそを曲げる前科のある馬なので…としか返答できたなかったんですが、2~3歳時にもこういうことがありました。古馬重賞でかなり重量が増えたところで、またもう一度イヤイヤ期を迎えたのかな…と思っています。重量に納得してくれたら(するのか?)またちゃんとレースをしてくれると思いますし、ちゃんとレースをすれば古馬重賞を獲れる馬です。
最後に愛しのマルホンリョウユウについて。すごく頑張ってますよ!馬券は外してましたが、ゴールした時モニターに拍手しちゃいました。5歳でこの重量とメンバーでしっかりレースについて行けます。馬格もあるし障害も上手い。今回も一度で上がり切れませんでしたが、800㎏超で5歳で二の腰を入れて障害超えられるのは素晴らしいです。しかも膝をついているにもかかわらず。立て直して越えられて、その後しっかり歩けてる。…でも道中何度も藤本騎手が座っていて、今一つ息が合っていなかったようにも見えました。上手く溜められていなかった印象です。タカラキングダムといい、マルホンリョウユウといい、古馬重賞の重量で勝負するには2頭ともまだ「若い」のかもしれません。