2024年度重賞戦記 7/7 ばんえい大賞典
過去10年の「人気」「騎手」「馬番」
ピックアップデータは「前走」「重量」
■人気別成績【1着.2着.3着.着外】
1番人気【3.2.0.5】
2番人気【4.1.2.3】
3番人気【0.5.1.4】
4番人気【2.0.2.6】
5番人気【0.0.3.7】
6番人気【0.2.0.8】
7番人気【0.0.1.9】
8番人気【1.0.2.7】
9番人気~10番人気入着なし
※9頭立て3回、8頭立て1回、取消1頭、除外2頭
※3着同着が1回あり
4歳1冠の柏林賞同様、1番人気が苦戦している重賞ですが、勝ち馬は4番人気までで9頭でているので、全く無印な馬が勝つことはなさそうです。1番人気は連対か着外か、結構はっきり分かれます。3着は4番人気までよりも5~8番人気までの方が入着が多く、三連複や3連単はかなり手広く買ったほうが良さそうです。
■騎手:3着以上入着が3回以上の騎手をピックアップしてみました。
騎手名 :【1着.2着.3着.着外】
阿部騎手 :【2.2.1.5】
鈴木騎手 :【2.1.0.5】
菊池騎手 :【1.1.1.5】
西謙一騎手:【1.0.3.3】
西将太騎手:【0.2.1.5】
騎乗回数、入着回数とも阿部騎手の成績が目立ちます。今年はアヤノダイマオーの手綱をとります。同じく2勝の鈴木騎手はライジンサン、世代重賞でよくピックアップされる、菊池騎手はミチシオ、西謙一騎手はスマイルカナとのコンビで臨みます。
■馬番:馬券圏内に入着した回数を馬番ごとに記載します
着/馬番 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1着 | 1 | 3 | 0 | 1 | 0 | 1 | 2 | 1 | 1 | 0 |
2着 | 0 | 0 | 2 | 2 | 1 | 1 | 0 | 1 | 2 | 1 |
3着 | 0 | 0 | 2 | 1 | 1 | 1 | 3 | 2 | 1 | 0 |
一番勝ち数が多いのは2番の3勝。両端枠は中枠に比べて入着回数が少なめの傾向があります。昨年リョウユウが勝つまで、1番は入着がありませんでした。ただ、今年は9頭立てで偶数開催日(2日目)の奇数レース(11R)ということで外詰めになります。ミチシオは実質2番枠からの発走になります。
■前走
前走の出走条件とその成績です【1着.2着.3着.着外】
A1【1.0.0.2】←1着メムロボブサップ(前走A1を3着)
A2【2.1.1.1】←連対馬3頭は前走連対
B1【1.4.1.1】←入着馬6頭中5頭が3着以内
B2(の1組~3組)【1.0.3.6】←入着馬4頭全て前走3着以内
B2(の4組~6組)【0.0.0.5】
B3(の1組~3組)【2.4.2.14】←入着馬8頭中6頭が前走3着以内
B3(の4組~7組)【0.0.1.6】←入着馬は前走1着
B4(の1組~3組)【1.1.1.18】←入着馬3頭全て前走3着以内
B4(の4組~7組)【0.0.0.2】←着外2頭は前走勝ち
とかちダービー3歳OP【0.0.0.2】←キョウエイリュウ(1人気)タカラキングダム(2人気)
重賞【1.0.0.0】←はまなす賞 カイシンゲキ
天の川賞(3・4歳選抜)【1.0.2.4】←1着はシリウス
※除外はその1走前を前走にカウントしています。
レーススケジュールがこの10年の間に変わっていて、はまなす賞はばんえい大賞典の後になっていますし、天の川賞は現在A1クラスの特別戦になっています。そのため、カイシンゲキや天の川賞からの入着馬は今回参考外になります。入着率が一番高いのはA2クラスとB1クラスに出走していた馬です。そしてどのクラスでも前走好走が条件になります。前走3着以内と好走してきた馬の成績は【8.8.7.23】。ただB4-4~7組からの出走馬にはちょっと敷居が高いようで、前走勝って出走してきた2頭は着外に終わっています。
臨戦過程からはA2クラスの2着馬ミチシオが好走の条件に当てはまります。
そして過去人気になって着外に負けているのがとかちダービーからの直行馬。そもそも2頭しかいないのですが、どちらも世代を代表する馬が人気を裏切って負けています。
悩ましいのはとかちダービーや、それよりもう一つ前の3歳OPとかち皐月賞からの直行、そして2歳重賞のイレネー記念からの直行と、今年は過去10年ではあまり例のなかった臨戦過程の有力馬が多いこと。イレネー記念馬ライジンサンはイレネー記念から、黒ユリ賞馬でイレネー記念2着のスマイルカナはとかち皐月賞から、イレネー記念3着馬のウルトラコタロウもとかちダービーからという臨戦過程です。ただ、昨年までは7月月末または8月頭。今年は7月頭と開催日が変わっているので、とかちダービー組は間隔が1か月。キョウエイリュウとタカラキングダムは1か月半空いているので、少し条件が異なると思います。
ただイレネー記念からの直行は過去出走歴をさかのぼれる1993年から見てもいませんでした。それにしても大賞典はコロコロと開催日の変わる重賞で、ステップレースは参考にしにくいです。
■重量
重量別の成績も取ってみました。今年は有力馬が春先休んでいたので、例年にくらべて、軽めの重量なことがわかります。【1着.2着.3着.着外】
650㎏【0.0.1.7】
660㎏【2.0.1.3】←1着馬はいずれも牝馬
670㎏【3.5.4.34】
680㎏【2.3.3.12】
690㎏【2.2.1.4】
700㎏【1.0.0.4】←1着馬はメムロボブサップ
こうしてみるとメムロボブサップは異次元の馬だったんだなと思わされます。入着数が多いのは母数の多い670㎏ですが、入着率でいえば690㎏が好成績です。ただ、今年はトップハンデのライジンサンが今期初出走になるため680㎏で出走します。今年は例年とは違うばんえい大賞典なのかもしれません。
【おまけ】牝馬
今年はスマイルカナが参戦するので、牝馬についても成績を調べてみました。
牝馬の成績は【2.0.2.10】
勝ち馬2頭は黒ユリ賞馬です。スマイルカナも勝ち馬の条件は満たしています。イレネー2着と牡馬と混じって引けをとらない実績で650㎏の重量で出走できるのは魅力です。過去10年、660㎏の軽ハンデで勝った馬はシリウスとイオン。スマイルカナも続けるでしょうか?
【おまけその2】イレネー記念&黒ユリ賞
牝馬の黒ユリ賞馬から2頭の勝ち馬が出ているのであれば…ということで、イレネー記念&黒ユリ賞の好走馬の成績も見てみました。
イレネー記念or黒ユリ賞で3着以内に好走した馬の成績は【5.7.2.15】ほぼ半分が馬券圏内にきています。今年のイレネー上位馬はみんなレース間隔空いているんですよね…臨戦過程か実績か…どちらを選ぶか悩ましいところです。
イレネー記念馬の上位3頭をどうするか?悩ましいところです。臨戦過程と近走成績を見てミチシオがデータ的には◎なんですけれど…ミチシオ…イレネー記念でも本命を打って8着でしたっけ…。いや、ここでめげない! ミチシオはとかちダービーでは9頭立ての外詰めで1枠の1着でした。今回と同じ条件です。菊池騎手も心強い。今度こそ頑張れミチシオ! 相手はとかち皐月賞から間隔は空きますが650㎏で出走するスマイルカナに〇。B3-10、B4-1を勝ってきているアヤノダイマオーとホクセイハリアー、そしてやっぱりここまでヤングチャンピオンシップから重賞3連勝。実力では抜けた存在のライジンサンに流す…という感じでしょうか。
でも…終わってみればイレネー上位組で決まっている…かも知れない…。とりあえず当日現地で観戦しているのでちゃんとパドックを見てから決めたいと思います。
レースレビュー
現地観戦の予定でしたが飛行機が雷雨で欠航…ああ、ついてない…。
そんなわけで自宅でパドックを見ていましたが…ライジンサン馬体重が減っている…成長期真っただ中のこの時期に増えていない…。もっともばん馬は休養で体重を減らします。休養で増えるサラブレッドとは真逆です。厩舎にいるときは濃厚飼料をガッツリ食べて馬体重を増やすけど、放牧に出るとそんなにたくさんは食べないので長期休養明けはだいたい大幅に体重が減ります。
成長分と休養マイナスとが重なっての-8㎏という数字だったと思います。金曜日の開放走路では素晴らしい動きだったという話もきき、Xで写真も見ていたのですが…レース後半はやはりスタミナ不足だったような気がします。2障害を降りてからの伸びが今一つでした。
私の本命ミチシオは惜しかったなぁ…10㎏のハンデ差がなければ捉えることができたのでは?と思います。勝ったホクセイハリアーは脚質と渡来騎手の積極的な騎乗が本当に合っていました。馬場が軽く、でも3歳のこの時期にとって重い600㎏後半。2障害降りてからキャンターでの差しが効きにくい、障害が上手い先行馬が逃げ粘れる条件がそろっていました。最後まで粘れたところがホクセイハリアーの成長分なのだと思います。この馬、レースぶりがちょっとインビクタに似ています。これからどう育っていくか楽しみです。
3着はイレネー記念も3着だったウルトラコタロウ。この馬は本当に堅実だなぁ!とにかくしっかり障害上げて最後まで粘り強く歩く。常に前々にいて気が付いたら上位にいる。地味なレースぶりですが強い馬です。きっとさぞ真面目な馬なんじゃないかと思います。名前も可愛いしいつも素敵な飾りをつけていて、2歳のころから応援している馬です。間近で見たかったな…。おそらく今後斤量が増えていき、馬場が重くなればコタロウの長所がより活きてくるのではないかと思います。
スマイルカナはウルトラコタロウと1.6秒差の4着。5着のグランドスターダムとは0.1秒差で3~5着は接戦でした。スマイルカナは2障害の頂上でちょっと躓いたように見えました。一腰で障害を越しきれなかった分最後脚色が鈍ったのではないか…と思います。それでも一瞬の伸びは見せ場十分でした。この馬もしっぽフリフリなんですよね~。シンエイボブの後継者と見ました。この馬もこれからどのくらい強くなるんでしょう。オークスの最有力候補だと思います。
この世代はキングフェスタやメムロボブサップのような圧倒的な王者がいません。2冠目の菊花賞はどんな勢力図になっているのか。次回はライジンサンも万全で出てくると思います。
馬券はミチシオから馬連とワイドを流していたので、まずはプラスにすることができました。雷神さんは羽田で暴れたので、帯広では来なかったのかなぁ…。