2023重賞戦記 9/17 岩見沢記念 ~レビュー追記~

過去10年のデータから
人気・騎手・枠
ピックアップデータは
「前走」「同年度重賞入着歴」

■人気別 馬券圏内入着回数
1番人気:1着3回/2着2回/3着1回(着外4回)
2番人気:1着2回/2着3回/3着1回
3番人気:1着0回/2着1回/3着3回
4番人気:1着1回/2着3回/3着2回
5番人気:1着1回/2着1回/3着0回
6番人気:1着1回/2着0回/3着2回
7番人気:1着0回/2着0回/3着1回
9番人気:1着2回/2着0回/3着0回
勝ち馬は9番人気から2頭も出ていて、荒れる印象のあるレースです。9人気の1着馬は2014年のホクショウユウキと、2022年のインビクタです。

■騎手:3着以上入着が3回以上の騎手をピックアップしてみました。
藤本騎手 :1着2回/2着1回/3着2回
藤野騎手 :1着2回/2着0回/3着1回
西謙一騎手:1着1回/2着1回/3着1回
藤本騎手は5回の入着の内、4回はコウシュハウンカイとのコンビです。今年は残念ながら手綱を取る馬はいません。
藤野騎手アオノノブラックの手綱をとります。
西謙一騎手は3回ともメジロゴーリキでのものです。今年のメジロゴーリキにも期待がかかります。

■枠:馬券圏内に入着した回数を枠ごとに記載します

着/枠12345678910
1着100
2着00
3着
10頭だて2回、9頭だて4回、7頭だて4回(うち、取消1回、除外1回)

この時期は夏場の疲れかなかなかフルゲートにならない印象があります。9頭立てが6回の中で、9番の2勝2着1回3着1回はちょっと気になる数字です。
ただ、今年は7頭立てなんですよね…5枠の入着の良さも目を引きます。今年はアオノブラックが入りました。

■前走
馬券圏内に入着した30頭の前走を見ると…
ステップレースであるマロニエ賞からの馬が17頭。
うち、マロニエ賞を3着以内に好走した馬は10頭。
実は5割強とステップレースとその成績はあまり直結しないのですが…
ただ、マロニエ賞で着外だった7頭のうち6頭はみなその年度の重賞、オッズパーク杯~ばんえいグランプリまでの4走のうちどれかで3着以内の入着歴がありました。唯一の例外はミスタカシマ。5歳牝馬です。

■同年度重賞入着歴
直近の重賞成績や前走成績があまり直結しないからこそ人気薄の馬が来るのですが、前走の項目で紹介した重賞の3着入着歴でいうと、30頭中22頭が該当しました。
その年の古馬重賞で上位争いができている馬というのは条件になるようです。

なお、重賞入着歴のない8頭の前走成績は【4/1/1/2】です。この2着1回、3着1回はいずれもマロニエ賞でのもの。
重賞入着歴がない馬であれば、前走勝ってきているか、マロニエ賞での上位入着が必要なようです。
なお前走着外の2頭のうち1頭は5歳牝馬のミスタカシマ。もう一頭は5歳のコウシュハレガシー。人気薄がよく来る岩見沢記念とはいえ、6歳以降で重賞入着歴がなくかつ前走好走していない馬はちょっと厳しいデータとなっています。



まず、今期重賞で3着以内の実績がある馬は、アオノブラック、インビクタ、コマサンエース、メジロゴーリキ、ミノルシャープの5頭。
7頭だてで5頭では絞った内に入らないので(笑)
ここから前走マロニエ賞組を拾うとアオノブラック、メジロゴーリキ、コマサンエース、になります。そしてマロニエ賞で3着以内という馬はアオノブラックメジロゴーリキ。順当に行けばここはアオノブラックが重賞を一つとる場面だと思います。
馬券的には◎アオノブラックと〇ゴーリキの馬複1点と、この2頭の2軸から▲コマサンエースを厚く、△インビクタ少し、△ミノルシャープを少し。といった感じでしょうか。でもインビクタは840㎏がどうかなぁ…。840㎏の斤量で勝っているのも、3着以内に入着しているのも過去10年ではコウシュハウンカイしかいないのです。タイムがかかる馬場ならインビクタは買わないかもしれません。

…とここまでがあんまりあてにならないデータの予想で…

あてにならないデータ予想ですが、どうもゴーリキさんにいいデータが集まっています。毎年岩見沢記念は好走しているんですよね!
なにより前走マロニエ賞でちゃんとレースをしていたことが嬉しかったです。ということで、今回データと推しがしっかりかぶっていますのでここでなんとかゴーリキさんが描けないものか…と願っています。砂を入れ替えたおかげで前半のペースが落ち着いているのもゴーリキさんにとってはプラスなのかも。

レースレビュー

強かったですね!
まさにメムロボブサップ不在では
負けられない。
アオノブラックはハンサムなんですが
顔に鼻白や星といった
特徴が無く似せるのが難しい(笑)

 いやまあ、圧勝でした。強かったなぁ…。今回1~2障害間で砂を入れ替え、かなり重たい馬場になりました。重たい馬場で800㎏超の斤量。ばんえい記念で好走したアオノブラック、メジロゴーリキには有利な条件です。馬券は印通りに買いまして、しっかり馬連、三連複、ついでに今回は三連単も買ってプラスにできました(^_^)

 アオノブラックは「障害の天板に差し掛かった時にもう大丈夫だと勝利を確信しました」とは金田調教師。私も同じタイミングで「あ、これはゴーリキ負けた」と思いました(笑)。降りてからは盤石の歩きで無事優勝しました。今期ここまで重賞とっていないことが意外なくらい強かったです。寒くなって重量が増えていい馬ですから、砂の入れ替えは歓迎だったと思います。体調面も良くなってきていました。もともと夏負けしやすい馬なのに、今年の夏はとりわけ厳しかった思います。これからメムロボブサップとの対決が楽しみです。

 愛しのメジロゴーリキは2着を確保。ここ数戦の不振を見ると、ゴーリキさんもかなり夏負けしていたんだな…と思います。ただゴーリキさんの復調は砂の入れ替えも大きいかな…ゆったり進めるのは本当に合っています。マイペースであれば軽馬場でグイグイごり押しでも行けるんですけど、軽馬場でグイグイ行くときってなかなかマイペースにならないので…。ゴーリキさんの好走ポイントは「気分を損ねずに行けるか」だと思っています(笑)。
 西騎手はものすごく慎重に乗っていたように見えました。観察して考えて、ゴーリキさんの様子を伺いながらの道中と、たっぷり溜めての第二障害の仕掛け。それでもゴーリキさん第二障害の頂上付近で止まりかけて…揃えた後肢で地面を蹴って第二障害を越えていて、苦しそうに見えました。歩いて越せてない時点で、強い時のゴーリキさんの障害の越え方ではないように見えて、やっぱりまだ本調子ではないな…と感じました。でも、止まりそうになったところで踏ん張れたのは、復調してきた心身と道中大事に乗ったからだと思います。ただ大事に乗ると7歳馬二強には勝てないんですけどね(^_^;

 ほぼ同じタイミングでコマサンエースも降りてきました。この馬も砂の入れ替えがプラスに働いた馬だと思います。それにしても力つけてるなぁ!でも、最後の歩き比べではまだゴーリキさんの方が上でした。

 同じく力をつけているなぁ!と思ったのはインビクタです。840㎏はどうだろう?重かったら買わないかも…と予想では書きましたが(結果やっぱり最後ちょっと買いました(笑))、予想に反して三着同着まで追い込んできました。というか…インビクタの差し!グランプリの時も珍しいと思ったのですが、斤量が800㎏を超える重賞ならではだと思います。それだけ降りてから「歩き比べ」になりました。障害が上手いので体力をロスせず最後までしっかり歩けるので届いたのだと思います。

 ミノルシャープはもともと軽い馬場の方が合っている印象がある馬で、やっぱり馬場が堪えたような気がします。コマサンブラックは体調が良くないのかなぁ…今期はまだ重賞ではいいところが無くてちょっと心配です。ただ、この馬も重い重量や馬場は合っていると思うので、涼しくなってどうレースぶりが変わるかよく見ていきたいと思います。キョウエイリュウはこの馬場もしかして競走中止になるのでは…と思っていたくらいなので、思った以上に馬場に対応していて、重賞ではちょっと厳しいかもしれませんが、今後オープン戦になって700㎏前半を曳くようになったら好走できるのではないか?と思いました。

 …とにかくどの馬も猛暑のダメージがきつそうで、本当に今年の夏は大変だったんだなと想像に余りあります。馬車BARのムサシコマが熱中症予防で臨時の夏休みを取るくらいの暑さ。同じばん馬の競走馬たちが堪えないわけがなく…。関係者の方の苦労が偲ばれます。そんな中で毎週レースを見せてくれた馬たちと関係者に心から感謝します。

レース結果