馬の旅盛岡紀行~後編

JBCを楽しんだ翌日は乗馬や馬にまつわる観光をしてきました。岩手と言えば馬の郷。1日で回れる範囲で馬が見れるところへ遊びに行きました。

馬っこパーク・いわて

馬っこパーク・いわて 公式ツイッター https://twitter.com/umakko_park

 遠野にある馬の里と迷ったのですが、やはり近場で…ということで。こちらで体験乗馬を楽しんでヤギや重種と触れ合ってきました。(といっても人参を上げてきただけですが(笑))馬っこパークは盛岡市街から車で30分ほどです。競馬場へ行くのと同じくらいの時間でつきます。広大な大学施設の敷地の中にあって、最寄りバス停も農業試験場という名前です。道中岩手山の美しかったこと!

紅葉が美しく、厩舎までの道のりが絵になります
ちゃんとなでてきました(笑)
見事な馬尻。ばん馬っぽいシルエットだなぁ!

 静かで綺麗なところでした。本当に静かで…人がいない。一般開放している乗馬クラブといった印象です。パークと銘打っているので、観光施設を期待していくとちょっとびっくりするかもしれません。でも、そのぶん静かだし、ゆっくり見れます。厩舎までに向かう道すがら、馬尻お堂なるものを発見しました。馬尻はとてもリアルな木造でした(笑)そして後で知ったのですが小岩井農場園では馬やウサギにあげる人参300円!で販売してましたが、こちらでは100円。良心的です。(たしか、帯広のふれあい動物園も100円じゃなかったかな。思えばこちらも大変良心的です)

 研修施設のような建物の中にはいろいろな民具やチャグチャグ馬っこのかざりが。この施設ではチャグチャグまっこ独り占め体験もできます。やってみたいな~と思ったのですが1時間半と1万5000円…お値段と時間両方きつくて諦めました。重種ファンとしては次回の宿題です。きっとこの馬具は現役で、これらを使うんじゃないかと思います。

トロフィー、ポスター、戦績やプロフィールのパネルとともに
トウケイニセイの心臓がありました
ブースの背後にゼッケンも…額が欲しいなぁ

 たぶん馬っこパークで一番驚いたのはこれです。岩手の雄、トウケイニセイの心臓標本!先のチャグチャグ馬っこの鞍のお向かいにありました。トウケイニセイの最後の繋養先はこの馬っこパークで、ここでトウケイニセイは天寿を全うして亡くなりました。大学の施設と併設のパークなので、名馬の心臓標本を残そうということになったのだと思います。
 比較対象がないのでわからないのですが、きっと大きいよ!ということだと思います。

 盛岡競馬場でメイセイオペラの素晴らしい記念展示を見た後なので、ちょっと落差が切ないです。トウケイニセイもメイセイオペラに勝るとも劣らない岩手の名馬。もう少しきれいなブースがあってもいいな…と思いました。
 もし馬っこパークを訪れるときは、トウケイニセイの心臓に手を合わせてみてはいかがでしょうか。

 乗馬体験は30分。お値段5500円也。これはじゃらんのクーポン使って1000円引きになった値段です。これも乗馬クラブのビジター価格としてはかなり安いほうです。そして、ヘルメットは無料レンタルできました。キュロットと短ブーツは持参しましたが、全く馬に乗るのが初めての人なら動きやすいズボン(Gパンでもストレッチ系がいいですよ)とスニーカーで大丈夫です。そしてスタッフの方が安全に留意して丁寧に対応してくださるので、馬乗ってみたい!という方はお勧めです(^_^) ただ本当に普通の乗馬クラブです。そこはご覚悟のほどを。また、多分ですが経験者なら障害もやれるようです。(障害もやっているんですよね?障害はいいんですか?と2回聞かれました…もう10以上年飛んでないです…クロスバーも飛べませんて…)
 猫の写真の後ろにあるのが室内馬場でそちらでの騎乗になりました。しっかり経路が回れる馬場でした(周囲にアルファベットのマークがちゃんとついていました)乗馬クラブとしても運営されていて、会員さんも通っていらっしゃいます。また岩手大学の馬術部の学生さんもここが練習拠点のようで、表の馬場で障害の練習をしていました。

 騎乗後、清算の時に、JBCで来られたんですね~と言われました。引退競走馬も引き取っているし、トウケイニセイが余生を過ごした施設なので、スタッフの方も競馬に近い人たちのようです。

厩舎にいったらポニーがお出迎え。今通っているクラブと同じ風景で既視感を覚えます
厩舎には猫ですよね~!ふっくら良く肥えています
馬房のひとつにヤギの親子が。お客さんがみんなおやつをくれるので、人が通るとこの通り!
練習馬場の奥には放牧地。ペルシュロンとブルトンが飼われていました

 ふれあい動物はヤギとポニーと猫。これも乗馬クラブあるあるだなぁ。チャグチャグ馬っこ用にポニーだけではなく重種がいるところが馬っこパークならではです。第一厩舎の馬以外はどの馬房の馬に人参をあげてもいいそうです。人参を購入して、冒頭の写真を撮らせていただきました。

小岩井農場まきば園

公式サイト:https://www.koiwai.co.jp/makiba/

小岩井農場の藤姫さん(半血)ずっと観光馬車を曳いていたようで、今は引退してのんびりすごしているそうです

 こちらはTHE観光地。岩手盛岡の定番中の定番観光地です。駐車場がだだっ広い。入園に800円かかりますが、中の見学施設は全部無料なので、観光地としてはリーズナブルかと思います。レストランやお土産物屋さん、引馬の乗馬体験、観光馬車、観光バス、有料ワークショップなど、さまざまなものが充実しています。

 紅葉がきれいな時期で、どこを歩いても絵葉書のような風景を堪能できました。また、岩手山を望む放牧地の羊が牧歌的で素晴らしい眺め! 牧羊犬もいるらしいのですが、お仕事時間ではなかったらしく残念ながら見られませんでした。
 ところで、ここのBBQレストランの売りがジンギスカン(2200円也)…当園生産の…と案内がありましたので、羊を見て、命のありがたみを感じながら美味しく羊をいただくことができます。

馬ではないのですが、フェルトアートの作家さんのキリンや竜の展示があってとてもかっこよかったです。でもなんで幻獣アートが小岩井農場?と思ったらフェルトアート=羊毛というつながりだったのですね。

鉄道150周年というのは関東でもあちこちイベントがありますが、ここにも看板がありました。銀河鉄道の夜にちなんだイルミネーションです。暗くなったらさぞキレイかと。きっとイルミネーションがともったら999ごっこが楽しめます。

国の重文に指定されている築100年は立とうかという牛舎
何と現役で牛が飼われています!
体重計です。この作り、メモリが電子じゃなければ牛も馬も、そして今も昔も変わらないのでは?
以前見たばんえいの体重測定の映像を思い出しました
こちらは削蹄場。後ろの壁面にチョークで削蹄方法が描いてあります

 また、重要文化財に指定されている明治~昭和初期の牛舎や厩舎、サイロや削蹄・計測場などの施設も見学できました。まだ現役なのがすごいのですが…。重文だと改築工事ができないせいでしょうけれど、耐震や火災、耐寒や衛生面…いろいろ現代の規定はクリアできているのだろうか…と見ていてちょっと不安になりました。

小岩井農場 馬ものがたり

 馬の放牧地の近くの建物の中に、この展示パネルがありました。馬好きとしては見過ごせません(笑)。働くばん馬の話、サラブレッド生産の話。写真もテキストも面白かったのでそもまま載せます。ちなみにほかの展示室で読んだのですが、小岩井農場で使っていたのはハクニー種とサラブレッドを混ぜた「小岩井ハクニー」だったそうです。ただ戦後のトロ馬車の写真では重種らしい体つきをしている馬もいます。このパネルもきれいにして、重要文化財ギャラリーで展示してほしいなぁ!

 小岩井農場というと、サラブレッドの競馬ファンには古い牝系を思い起こすのではないでしょうか?JBCの日もレース名に小岩井牝系の牝馬の名前がついていました。戦前の生産牧場として偉大な足跡は、シアンモア、セントライト、カブトヤマなどレース名でもしのぶことができると思います。それにしても広大な土地での調教。以前写真で見た英国のニューマーケットの調教風景の様です。

 このほか小岩井農場重要文化財ギャラリーでは、小岩井農場の年表とともに当時の種牡馬の貴重な映像展示もありました。思った以上に馬の展示物が多くて楽しめました。

おまけ:今回の旅行で食べたもの色々

 帯広程ではありませんが、それなりに。食べてきました盛岡の味。飲む余力が財布も体力も残っていなかったので、飲み屋さんに行けなかったのが返す返すも残念。宿泊したホテルも素泊まりにしてしまったのですが、朝食バイキングが有名なホテルだったと後で知り…。盛岡の宿題は多いです(笑)

福田パン

 盛岡に行けば必ず食せといわれるコッペパンの老舗です。結局朝食は2日間とも福田パンになりました。コッペパン店なのですが、メニューが豊富。というのも、パンはコッペパンだけですが、スプレッドが豊富で、2種類まで選べて組み合わせは自由。おかず系も充実しています。初日にアンバターとリンゴジャム&クリームチーズを食べて、二日目はアンホイップとハンバーグ&じゃじゃみそ。かなり食が太い方でも2個はキツイ(笑) 信じられないようなリーズナブルなお値段で、JBCでさみしくなった私のお財布をいたわってくれました。(2個食べたらお昼が入りませんでした(笑))
 あん・バターが定番1番人気と言われていますが、私のおすすめはアンホイップの方です。また、じゃじゃみそは地元の名店とのコラボらしく、とってもおいしかったです

この圧倒的なボリューム!良く私2個食べたな(^_^;)

目の前でスプレッドを塗ってくれます
お品書きの種類がすごい!

レトロな建物。2日通いましたが2日間とも並んで買いました。

余談ですが、福田パンは地元のコンビニにもありました。コンビニで扱う分、10円お高い。福田のコッペパンは盛岡のソウルフードなんだなぁとしみじみ眺めてしまいました。

盛岡競馬場名物「ジャンボ焼き鳥」

盛岡競馬場名物ジャンボ焼き鳥。JBC限定品の【エモい】バージョン。1本650円也。名物のジャンボ焼き鳥に、ピザソースとマヨネーズトッピング。とてもおいしかったのですがレギュラーメニューではなくJBC限定品だそうです。命名のエモいはJBCのキャッチフレーズ「Get Emotion」から。

 フードコートは充実していて食べるものはたくさんあったのですが「盛岡競馬場名物」はおそらくこの焼き鳥が一番有名なのだと思います。スタンド脇の屋台村の一番端で販売していて、「混むので食べたければ入場してすぐ買いに行きなさい」と、訪れたことのがある友人から勧められていました。言われた通り、到着後チャグチャグ馬っこを見てすぐに並んだのですが…エモいというよりエグい行列でした…。美味しいけど、美味しいけど…もう少し提供早くならないかなぁ(^_^;)

白龍(パイロンじゃじゃ麺

 盛岡の名物というと、冷麺とじゃじゃ麺とわんこそば。ということになるかと思います。その三大麺の一つ、じゃじゃ麵を食べに白龍に行ってきました。白龍はじゃじゃ麺発祥の店として有名です。昭和感漂う味のある店構え!櫻山神社の参道に店があって、店そのものがしみじみと味わい深かったです。
 実はじゃじゃ麵を食べるのは人生初で、美味しいことにも驚きましたが、こういう食べ物なのか!と食べ物そのものにカルチャーショックを受けました。ショウガたたっぷりついていますが全部混ぜたほうがおいしいです。こっくりした肉みそに柔らかめのうどんがあってとてもおいしかったです。酢とラー油で味変するのですが、確かに甘くこっくりした肉みそは酸味が加わると食べやすく、後半戦には必需品だと思いました。テーブルの卵なんだろう?と思ったら、少しだけ具材を残して、卵を割り入れて、スープとおい肉みそを入れてもらってスープにするのだとか。このチータンタンという食文化も初めて知りました。つけ麺のスープ割といい、あらゆる汁なし麺には蕎麦湯の文化の影響があるのだなと思います。

盛楼閣 冷麺

辛みだれは別付けでお願いできます。
牛肉のしぐれ煮、梨(季節の果物)ゆで卵、キュウリの浅漬けが入っています。

 盛岡駅のすぐ近くにある焼肉と冷麺の名店。盛楼閣。ネットで盛岡冷麺と検索すればまず筆頭で出てくる有名店です。
 今回の旅で一番おいしかったものは?と聞かれたら迷うことなくこれを上げます。冷麺とはかくも美味しいものだったのか!本当に麺、スープ、具材、完璧でした。

 実は冷麺も人生のなかで数度しか食べたことがなく、私の中では冷やし中華や冷やしラーメンとの境界があいまいな食べ物で、改めて全然別物な麺料理なのだと、じゃじゃ麺に続き、カルチャーショックを受けました。盛岡の麺料理は私にとって新たな食文化で、素晴らしい体験でした。関東でも同じ冷麺食べられるかなぁ…。