書籍紹介「ばんえいまんがどくほん」

 ばんえい競馬を学び楽しむために、おすすめの本を紹介したいと思います。

ばんえい競馬の全てが詰まったイラスト本

 ばんえい本と言えばこの本!ばんえいファンには必見の書です。「ばんえいまんがどくほん」を紹介したいと思います。ばんえい競馬の百科事典&歴史書で、ばんえい競馬の全てが詰まっています。この本は北海道市営競馬協議会の10周年記念行事として刊行された非売品。市営競馬協議会は4市(旭川・岩見沢・帯広・北見)主催で開催されていたばんえい競馬の事務方を取りまとめる会で、ばんえい競馬の運営を行うために昭和43年に発足しています。つまりこの本は昭和53年、今から44年前に刊行された本です。44年も前の本でありながら、馬具の説明や基本のルールについては今見ても十分役立ちます。

 「まんがどくほん」とあるように、ほとんどのテキストに秀逸洒脱なイラストが付いていてわかりやすい。この本を書かれた(描かれた)内田氏は協会の初代事務局長という偉い方です。そして漫画家志望だったとのことで素晴らしく絵が上手い方でもあります。主催者の事務方トップがプロレベルのイラスト描いてばんえい競馬を解説しているというすごい本なのです。ばんえい競馬の成り立ちから、歴史、ルールの変遷、あらゆることが書かれています。

 ばんえい界のプロフェッサー、古林教授が書かれた「ばんえい今昔物語」(いずれ紹介したいと思います)でも、この本はかなり文字数を割いて紹介されていますし、ばんえい競馬の記事を良く書かれている競馬ライターの小久保さんも、この本について紹介されています。ばんえい競馬を世に紹介する方々が一度はふれている本で、ばんえい競馬を知る古典と言っていい書籍です。

 私もこのサイトで書いたこぼれ話のVol.3で、ばん馬の鞭打についてルールを定めた歴史について、こちらから引用させていただきました。

ばんえい競馬施行の歴史やルール等を
ふんだんなイラストで紹介しています
この馬具の図説、
どれほどイラストの参考になったことか!
ありがたや~~~

PDFで全ページ読める
貴重なばんえい競馬の資料

豪華な装丁です!
この下にある本も希少本ですよ~

 私は古いばんえい関連の収集品を譲ってくださる先輩(あのカゲイサムの写真をくださった先輩)からいただきまして、原本を持っています。記念刊行本ということで、装丁お金かかってます! 臙脂色の布張り装丁に箔押しタイトル、冒頭の発刊の言葉はトレーシングペーパーに刷られて、後ろのイラストが透けて見えるという演出がなされています。めくるとき破らないかいつもドキドキする造りですが、とてもきれいです!
 学生時代装丁の授業を取っていたので、こういう凝った造りの本を見るとテンションがあがります。そういう意味でも重厚で素晴らしい本です。
 一家に一冊!と言いたいところですが非売品ですし、何より44年も前の本なので、なかなか原本を入手することは難しいと思います。

 ですがネット時代ってありがたいですねぇ!すべてのページがPDF化されて、ばんえい競馬馬主協会のサイトにアップされています。

ばんえいの歴史資料

こちらのページの一番最後に、ばんえいまんがどくほんのPDFリンクがあります。イラストを眺めているだけでも楽しいので、ぜひご一読のほどを!

 また、この資料ページには「ばんえいまんがどくほん」のみならず「ばんえい DRAFT RACE」という昔日の市営協議会会報もダウンロードできます。このサイトにアップされる前はなかなか原本を読むことができなかった貴重な文献です。テンポイントやトウショウボーイが走っていたころ、シンボリルドルフが走っていたころ、ばんえい競馬ではどんな馬が活躍し、リーディングサイアーはどんな馬だったのか…ということをこちらの会報で知ることができます。

 成績情報の他にも、ペルシュロンとブルトン種の種雄馬を輸入買い付けに行った馬事協会の担当者の購買記や、大井競馬場で行われたアトラクションレースの記録など、今のばんえい競馬につながる、様々な越し方の記録が残っています。
 こちらもとても興味深く面白い文献なので、市営協議会の会報については改めてご紹介したいと思います。